第6回 猪木正道研究会の報告

投稿日時: 2021/05/01 editor5

 第6回猪木正道研究会は、日本防衛学会と猪木正道賞基金との共催により、平成 29 3 4 日(土)午後 2 30 分から午後 5 時の間、 報告者に原 剛 軍事史学会顧問)、佐瀬 昌盛(防衛大学校名誉教授)の両先生をお迎えし、武蔵野市吉祥 の成蹊大学 6 号館の最上階「会議室」 B、C において実施しました。

・挨拶         熊本県立大学理事長・日本防衛学会会長 五百旗頭 眞

・報告1 「防衛大学校長着任当時の猪木正道先生のこと

 一防大指導教官の思い出」 軍事史学会顧問(防大4期生)原   剛

・報告2 「猪木正道先生と私」       防衛大学校名誉教授 佐瀬 昌盛

 

 

ご案内のとおり、成蹊大学は猪木正道先生が 1943 年(昭和 18 年)から財団法人三菱経済研究所に勤務の傍ら成蹊高等学校講師(非常勤)として初めて教鞭を執られた学校で、 1949 年に京都大学法学部に転出されるまで同大学政治経済学部教授として勤務された大学です。また、佐瀬 昌盛先生も 1974 年に防衛大学校に着任される 1967 年から 7 年間、成蹊大学政治経済学部専任講師、助教授として勤務されたゆかりのある大学です。


     
        成蹊大学キャンパス                6号館

 第6回猪木正道研究会は、まず五百旗頭 眞日本防衛学会会長(猪木正道賞基金理事長兼務)の挨拶のあと、原 剛講師による報告1「防衛大学校着任当時の猪木正道先生のこと:一防大指導教官の思い出」が行われました。


     
          理事長の挨拶 (五百旗頭 眞)          報告1 講師  原 剛 氏

 原講師は、猪木正道先生が第三代学校長として 1970 7 月 に防衛大学校に着任した当時、旧軍出身者の指導教官が多い中で防大卒の若手指導教官として勤務していたことから、学校長から秘書室に呼び出され、直接学生の交友会活動(クラブ活動)や学生指導に関することなどについて意見を求められたことなどを中心に話されました。


            
                    報告2講師 佐瀬 昌盛 氏

 次に、メインスピーカーである佐瀬 昌盛講師が、報告2「猪木正道先生と私」を行いました。佐瀬講師は、A)1963年西ベルリンでの猪木先生との出会い、B)幾多の猪木門下生を輩出した京都大学法学部時代の猪木先生のこと、C)国会図書館検索で1,125件の著作(再販等があるため実数は多分700点程度)という膨大な著数を誇る猪木先生のこと、特に佐瀬講師は猪木先生の代表的著作『評伝 吉田茂』(上、中、下)の中で総理時代の吉田茂について全体の5分の1程度しか記述がされていないことの“不思議”について言及され、D)「戦う自由主義者」としてソルジェニーツインに対する批判及び有吉佐和子、三島由起夫氏に対する批判、などを中心に話されました。


      
                              会場の様子

その後フロアからの質疑応答に入り、日本防衛学会会員はもとより、一般市民として参加した成蹊大学学生等からも活発な質問がありました。本研究会はアットホームな感じの、真に充実した会となりました。

     
                     懇親会にて

 研究会終了後、場所を「学生食堂」に移し、報告者を囲み学生参加者も加わった楽しい雰囲気の中で懇親会が行なわれました。